
外壁タイルは、その美しいデザインと高い耐久性から、多くの住宅で採用されています。
しかし、費用やメンテナンス方法、種類選びなど、戸惑う点も多いのではないでしょうか。
今回は、タイル外壁のメリット・デメリットから、種類、選び方、費用、メンテナンス方法まで、分かりやすく解説します。
新築・リフォームどちらの段階でも、外壁材選びの参考としてお役立てください。
目次
タイル外壁は、初期費用が高額なことがデメリットとして挙げられます。
1平米あたり1万円以上、デザイン性が高いものや高級品では5万円を超えるケースもあります。
これは、サイディングやモルタルに比べて2倍以上の費用となる場合も。
しかし、長期的な視点で見ると、塗装などのメンテナンス費用が不要なため、費用対効果は高いと言えるでしょう。
サイディングやモルタルは定期的な塗装が必要となり、その費用は数十万円から数百万円に上ります。
タイル外壁は、コーキングのメンテナンス(約5~10年周期)が必要ですが、それでもトータルコストは抑えられる可能性が高いです。
タイル外壁の耐久性は非常に高く、耐用年数は約40年とされています。
適切なメンテナンスを行えば、さらに長く使用できるでしょう。
タイル自体の劣化は少ないですが、タイルとタイルの間を埋めるコーキング材は、約5~10年で劣化します。
このコーキング材の定期的な交換が、タイル外壁の主なメンテナンスとなります。
コーキングの劣化は雨漏りの原因となるため、定期的な点検と交換が重要です。
また、タイルが割れたり欠けたりした場合、部分的な交換で済むこともメリットです。
タイル外壁は、他の外壁材では実現しにくいデザイン性の高さが魅力です。
様々な色、サイズ、質感のタイルがあり、和風、洋風、モダンなど、あらゆる住宅デザインに合わせることが可能です。
光沢のあるタイルやマットなタイルなど、素材感も豊富です。
一枚一枚のタイルの色やデザインを調整することで、オリジナリティあふれる外壁を演出できます。
タイル外壁の施工は、熟練した職人の技術が必要です。
特に湿式工法の場合、モルタルとの密着度が仕上がりに大きく影響します。
近年では、施工が容易で、タイルの落下リスクが少ない乾式工法も普及しています。
施工業者を選ぶ際には、経験と実績、そして使用する工法について、しっかりと確認しましょう。
地震などによるタイルの剥離を防ぐため、建物の構造も重要です。
外壁タイルは、大きく分けて「磁器質」「せっ器質」「陶器質」の3種類があります。
磁器質タイルは、1250℃以上の高温で焼成され、最も硬く耐久性が高いのが特徴です。
せっ器質タイルは、磁器質と陶器質の中間的な性質を持ち、デザインのバリエーションも豊富です。
陶器質タイルは吸水性が高いため、外壁にはあまり適していません。
その他、釉薬の種類によって、光沢や色、防汚性などが異なります。
ラスター釉、マット釉、無釉などがあります。
タイルのサイズは、デザインに大きな影響を与えます。
代表的なサイズとしては、二丁掛タイル(約227mm×60mm)、ボーダータイル(約227mm×30mm)、小口平タイル(約108mm×60mm)、50角タイル(約45mm×45mm)などがあります。
大きなタイルは重厚感があり、小さなタイルは軽快な印象を与えます。
使用するタイルのサイズによって、家の印象が大きく変わるため、慎重に選びましょう。
釉薬は、タイルの表面に施されるガラス質の素材で、色や光沢、防汚性に影響します。
光沢のあるラスター釉、マットな質感のマット釉、釉薬を施していない無釉など、様々な種類があります。
釉薬の種類によって、タイルの表情が大きく変わるため、サンプルを取り寄せ、実際に見て触れてから選ぶことをおすすめします。
タイル外壁の施工方法には、湿式工法と乾式工法があります。
湿式工法は、モルタルにタイルを貼り付ける伝統的な方法で、職人の技術が求められます。
乾式工法は、接着剤でタイルを貼り付ける方法で、施工が容易で、軽量化にも繋がります。
近年は、乾式工法が主流となっています。
今回は、タイル外壁のメリット・デメリット、種類、選び方、費用、メンテナンス方法について解説しました。
タイル外壁は初期費用は高いものの、耐久性が高く、長期的なコストパフォーマンスに優れています。
デザイン性の高さも魅力です。
施工方法や業者選びも重要です。
この記事が、皆様の外壁材選びの参考になれば幸いです。
タイル外壁は、デザイン性と耐久性を両立したい方、長期的な視点で費用対効果を重視する方におすすめです。
ただし、初期費用が高額であること、コーキングのメンテナンスが必要であることを理解した上で検討することが大切です。
様々なタイルの種類やサイズ、釉薬の種類があるので、ご自身の好みや家のデザインに合ったものを選びましょう。