外壁の仕上げは、住宅の外観や機能性を大きく左右する重要な要素です。
外壁がモルタルの場合、職人の技術や使用する道具によって多彩な仕上げが可能となります。
特に塗装の仕上げには、さまざまな工法とそれに伴う特徴があり、住宅のデザインや耐久性に影響を与えます。
今回は、外壁の仕上げの種類について詳しく解説します。
吹き付け工法は、専用のスプレーガンを使用して塗料を霧状にして吹き付ける工法です。
この工法の利点は、広範囲に均一な塗膜を作ることができ、複雑な模様や立体感のある仕上がりを実現できる点です。
ただし、塗料が飛散しやすいため、施工には周囲への配慮が必要です。
1:リシン仕上げ
リシン仕上げは、砂利を混ぜた塗料を吹き付け、つや消しの凹凸模様を形成する古くからある工法です。
比較的安価ですが、ひび割れが発生しやすいというデメリットがあります。
ひび割れを防ぐために、弾性リシンも存在しています。
2:スタッコ仕上げ
リシンより厚みを持たせた仕上げで、大理石や砂を混ぜた塗料を使用します。
吹き付けたままの「吹き放し仕上げ」や、コテで表面を平らにする「ヘッドカット仕上げ」があります。
スタッコは耐久性に優れ、重厚感のある仕上がりが特徴です。
3:吹き付けタイル仕上げ(ボンタイル)
粘土のような塗料を用いて吹き付け、さらに上塗りして凹凸模様を作る方法です。
スタッコよりも細かい模様で、つやのある仕上がりが主流です。
耐久性も高く、ツルツルとした陶器のような見た目が特徴的です。
*コテ工法とローラー工法の違い
吹き付け工法以外にも、コテやローラーを用いた仕上げ方法があります。
これらの工法は、職人の手作業による模様の自由度が高いことが特徴です。
1:コテ工法
職人の技術により、スタンプやくし引きなど多様な模様を描くことができ、意匠性の高さが魅力です。
ただし、施工には高い技術力が必要で、仕上がりの精度は職人の腕に大きく依存します。
2:ローラー工法
ローラーを使用して塗料を塗る現在の主流工法で、特にスポンジ状のマスチックローラーやウールローラーが使用されます。
マスチックローラーを使うと厚い塗膜が作られ、ゆず肌模様やさざ波模様が形成されます。
一方、ウールローラーは、既存の壁面の模様を活かしながら均一な塗膜を作ることができます。
□仕上げ選びのポイント
外壁の仕上げを選ぶ際には、デザインだけでなく、耐久性やメンテナンスのしやすさも考慮することが重要です。
工法ごとのメリット・デメリットを比較し、自宅に適した仕上げを選ぶようにしましょう。
1:耐久性を考慮する
吹き付け工法やローラー工法では、塗料の種類や厚みが耐久性に影響します。
特にスタッコやボンタイルは耐久性が高く、メンテナンスの頻度を減らすことができます。
2:意匠性を重視する
デザイン性を求める場合は、コテ工法で自由に模様を作る方法がおすすめです。
特にアクセントとして部分的に使用することで、外観に個性を持たせることが可能です。
3:コストとのバランスを取る
高意匠型の工法はコストが高くなる傾向があるため、予算内でデザイン性と耐久性のバランスを取りながら選択することが重要です。
□ まとめ
外壁の仕上げにはさまざまな工法があり、それぞれに特徴があります。
リシンやスタッコなどの吹き付け工法は、立体感や耐久性があり、コテやローラー工法は意匠性に優れます。
住宅のデザインやメンテナンス性を考慮し、最適な仕上げ方法を選んでください。